教室の隅 風が潜む
揺れるカーテンだけが答える
机に残された名前たち
僕はどこにもない
響く笑い声 僕を通り過ぎる
目が合えば逸らされる視線
「一緒に帰ろう」
その言葉を飲み込み下駄箱へ
響く足音だけが僕の友だち
問いかける声 壁に吸い込まれる
僕がここにいていい理由は何？
教室の隅に浮かぶ影
それは僕か それとも幻か
焦がれる証明 この手で掴みたい
触れるたび遠ざかる光
教室の片隅で叫ぶ
僕がここにいる理由(わけ)を教えて
同じ場所に座るもう一つの影
言葉を交わすたび冷たさが和らぐ
「君も同じなんだ」と囁く声
机を挟んだ隙間に
初めての温もりが滲んだ
孤独は僕だけのものじゃない
教室の冷たい光が少し変わる
同じ痛みを抱える、、
僕もここにいていいのかもしれない
焦がれる証明 この手で触れた温もり
冷たい教室が優しくなる
僕の名前を呼ぶ声が響く
ここにいてもいいと信じた
その手が離れた瞬間
笑顔が仮面のように剥がれ落ちる
「やっぱり君とは違う」
冷たく放たれた言葉が胸を刺す
教室の光は再び冷たく沈む
焦がれる証明 それは届かぬ声
掴もうとした温もりは幻だった
教室という檻に閉じ込められ
居場所なんてどこにもないと知る
それでも焦がれ続けた愚かな僕
机に残る名前の跡
その中に僕の名前はない
教室の灯が消えるとき
影すら残らず僕は消えていく
